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腰痛との闘い

ニットの女性

腰痛は介護職の職業病?

腰痛は介護職の職業病などと言われ、腰痛で悩んでいるヘルパーさんが多いですね。

移動時にベッドから抱きかかえるときに不自然な体勢になりやすいですし、忙しいときに無理をしてつい腰をやられてしまったなどというケースをよく耳にします。
また、一人で大柄な高齢者さんを抱きかかえてこけそうになったため、高齢者をかばって腰を痛めたというスタッフもいます。

事業所ではスタッフに、作業時の基本的な姿勢についてきちんと教えていますが、忙しいと、つい基本の姿勢を取るのを忘れてしまうことも多いとのことです。

私はヘルパーさんのように直接利用者さんを介護することはないので腰痛にはなっていません。
しかし、座り仕事なので腰に負担がかかっている可能性が高いので、腰痛には気をつけなければと思っています。

先輩の介護スタッフの話によると、体幹を意識すること、体を曲げるときにお腹から前に倒すのではなく、腰を下に落とすように重心を移動させること、こまめにストレッチをすることを心がけているそうです。
そして、腹筋と背筋を鍛えるのも効果的なのだとか。

前かがみの姿勢が腰に負担をかける

不自然な姿勢で重いものを持ち上げると腰痛になる――。
これはよく知られていますね。
しかし、昇降リフトなどが設置されており、介護で高齢者を抱きかかえて持ち上げるといった作業をほとんどしない施設のスタッフにも腰痛が発生していると報告されています。
これはなぜなのでしょうか?

その理由は、介護現場ではベッドサイドで行う作業が多く、どうしても体を前かがみにして高齢者のケアを行うため、腰に負担がかかって腰痛の原因となるからです。
厚生労働省でも、前かがみになって行う作業を長時間続けないよう、注意を促しています。

立ったまま腰を前に20度以上傾けた状態になった場合、腰にかかる負担は普通の姿勢の1.5倍になると言われています。
そしてこの姿勢のまま重いものを持ち上げると、負担は何倍も大きくなります。

このため、前傾姿勢の作業の合間にストレッチを挟む、体重の重い人を持ち上げるときは、二人で行うなど、日頃のケアを十分に心がける必要があるのです。
とはいえ、人手不足で忙しい介護現場では、なかなかストレッチの時間も取れませんし、誰かに手助けをしてほしいときも他の人が忙しそうにしているので声をかけにくいというのが現状です。

(参考サイト)
腰痛予防対策リーフレット – kaigokango.pdf

また介護現場では、腰痛の治療を受けたなくてもなかなか休みが取れず、腰痛を抱えたまま仕事をせざるを得ない環境もなかなか改善されません。
腰痛軽減のために、リフトの導入が進められていますが、高価なため思うように導入が進まないのが現状です。

施設内の必要な箇所にリフトを設置するだけで、数百万~数千万円の費用がかかります。
国からの助成金は300万円までなので、なかなか導入に踏み切れない施設もあるのです。

介護スタッフが少しでも働きやすいよう、全国の介護現場の環境が整えられることを願ってやみません。
それが結果的に、利用される高齢者への質の高いサービスの提供につながりますし、安全性も高まるのですから。